2018年11月11日日曜日

マリー・フランソワの想ひ出



「小さい頃リカちゃんで遊んでました♪
歳がバレますね (///pωq///) イヤン」


「小学生の頃ジェニーが大好きだったんですぅ~☆彡
歳がバレちゃう (ノ≧ڡ≦) ミャハッ」


ブログ巡りなどをしているとよく遭遇する言葉だが…




バレねーよ。





リカちゃんが誕生したのは1967年、その歴史は実に50年以上(2018年現在)。


ジェニーですら30年以上の歴史がある。
本家タカラトミーでの販売はないにしろリカちゃんキャッスルではジェニー&フレンドの製造・販売は続いている。


歳がバレると言うならむしろ「小さい頃はまだリカちゃんは発売されていませんでした」とか「ジェニーはまだバービーでした」とかの「まだなかった話」ではないだろうか。


「私小さい頃サッポロ一番よく食べてました!歳がバレますね。」
「小学生の頃はなかよしを読んでました!歳がバレちゃう!」
とか言われたら「はぁ?」となるだろう。
それと同じだ。


お友達のちえみちゃん持ってたとか、ホログラムのドレスだったとか、ピンポイントなことでも言わない限り、リカちゃん・ジェニーというだけでは年齢バレの要因とはなり得ないのだ。


いいかい?歳がバレる記事というのはこういうのを言うんだぜ!






かっわるのかわるの~かぁ~みが~
かわるの~かわるの~ドレ~ッス~
マリーフランソワァ~~♪


というCMを見てからというもの頭の中は彼女【マリー・フランソワ】でいっぱい。


欲しい、欲しくてたまらない。
だがなんでもない日にねだったとてスルーされるだけ。
当然クリスマスまで待ちなさい、となる。


なのでその年のクリスマスが私にとって一番待ち遠しかったクリスマスだ。


ここいらでは珍しい雪のクリスマス、彼女×2はやってきた。
うちはサンタクロースの配達区域外だったため買ってきたのは母だった。
それもたしかイブではない、25日だった。





「でかっ!」





そう、リカちゃんサイズだとばかり思っていた彼女はなんと身長41cm。
リカちゃんのほぼ倍だった。




当時の私にとって人形といったらごっこ遊び。
41cmを手に持って動かすのは子供にはなかなかハードだったが、それでもけっこう遊んだ。


アイドルとして歌って踊ってさせるのはやはりチーちゃんシリーズの方がやりやすくてよかったが。


頭皮をぐるっと回して髪の色を変えるギミックが付いていた。
おでこに切れ目があるのでそれが目立たない前髪のある茶髪が好きだった。
いくら隠しても切れ目が見えてしまう金髪がいやだった。
「なんで?CMでは見えなかったのに!」とちょっと憤慨していた。


茶髪は活発なマリー、金髪はエレガントなフランソワ。
髪色が変わると性格も変わる。


服はツーウェイ。
私のはテニスウェアにジャンスカ、妹のはどんなんだったかな、私のより長いスカートのカジュアル服だったことは確か。


私は憶えている。
妹が「スカート長いからこっち!」と言って選んだことを。
お姫様ごっこをするからスカートの長さは重要、たとえカジュアル服であっても。
私はこっちの方が顔が可愛いから、と別な方を選んだ。


だが大人になってその話をしたら妹は「いや、顔で選んだ。絶対自分のやつの方が可愛かった。」と言った。
うそだ。大体あんたがそんなこと憶えているはずがない。


どちらにしろ同じ顔だったろうとは思うが。
でもちゃんと区別がついていた。




フランス人とアメリカ人と日本人のハーフよ♪ ということだが、脳ミソのぬるい私は意味がわからず何故に二人であろう両親の祖国が三つ?と悩んでいたのだが、母に「たとえばアメリカとフランスのハーフが更に日本人と結婚して生まれたとかではないのか」と言われ納得した。


カタログのシャンゼリゼ、マドモアゼルといった名前の付いたドレスを見ては「次はこれが欲しいー!」と夢をふくらませていた。


だが次のクリスマスは遠すぎた。
マリー・フランソワは翌年にはもう発売されていなかったと思う。


着替えがないのでティッシュを巻いていた。
ホントはお姫様ドレスを着せたかったのだがスカートをどうやってふくらませるかなんて知らないし、そもそもティッシュでは彼女の大きい体に対し短すぎるのでワンショルダーミニの原始人スタイルばかりだった。
上下別に作るような知恵はなかったのだ。




高校生の頃だったろうか、彼女×2は捨てられた。
母の手により足を外されボディとまとめてガムテープをぐるぐる巻かれて(妹証言 私もうっすら憶えているような)。


「一応捨てていい?という言葉はあったけど、ガムテで巻かれていては「いいよ」と言うしかなかった。」(妹)


ロクな服も着せてもらえずティッシュだのガムテだのばかり巻かれていた彼女。


今なら服くらい作ってあげられるんだけどなぁ。
あれはごっこ遊びのための人形ではなかったのだろう。
綺麗に着飾らせて眺めるための人形だったろうに。
ガムテを剥がして足を戻して取っておけばよかったと悔やまれてならない。




マリー・フランソワ。
横浜人形の家kawaii展にて撮影。
あー可愛い。