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2013年7月11日木曜日

人形探しの旅・アンナの2



引っ越した先におもちゃ屋さんが多かったのは別にそれ目当てだったわけではなく
単に条件が合う物件がそこしかないからだった。


どのお店も品揃えがいいわけではなかったのでけっきょく行くことは少なく
よく通ったのは一駅先の今は無きトイズオフだったりする。




その街を去る時、引っ越してからだと到底行けない(というか遠くなるから行きたくない)
おもちゃ屋さんに行っておくことにした。


私はまたタウンページをめくり行ったことのないおもちゃ屋さんを探した。


電車で某駅まで行きそこからバスに乗ると何軒かのお店がある町を見付けたので行ってみた。
…ハズレだった。
文房具店だったり赤ちゃん用品のお店だったりで。


一番期待できそうなお店がこの辺のはずなのに見付からない。
立ち話をしている人に聞いてみると
「おもちゃ屋さん?…ああ、そこにあったね!20年くらい前に。」
載せっぱなしにするなよ、タウンページに。




今度はもう少し近場に行くことにした。
一軒しかないけど自転車で行ける。たぶん行ける。
無理なら引き返す(要するに今まで行ったことがない微妙に遠いところ)。


途中にもう一軒元はハロマだったと思われるおもちゃ屋さんもあったが
やっぱり何もなかった。


線路沿いの直線コースだったので距離のわりには案外ラクに着いた。
だが人形がない。まったくない。


「何かお探しですか?」
お店のおじさんに聞かれたので「人形を」と答えた。
「リカちゃんとかジェニーとかなんですけど。」


「ああ、人形はあんまりなくてね~…」
と言いつつおじさんが男の子向けのおもちゃの箱をずらして
奥にあったものを取り出してくれた。


「これしかなくて…ごめんなさいね~。」


プレゼントリカちゃんとリカちゃん系のなにか(パパだったかな?忘れた)と…
ヘアウィッグアンナ!?






うわぁー!…と心の中で感激しつつそれを差し出した。
おじさんは少なくてごめんなさいごめんなさいと
しきりに謝りながら対応してくれた。


少ないだなんて、これがあれば充分ですよ!
と声には出せなかったが思っていた。






アンナが見付かったお陰で気持ちに区切りが付き
引っ越し前のおもちゃ屋さん巡りを終わらせることができたのだった。






ウィッグを被るためか通常のアンナよりも小顔で、
また通常のアンナほど下がり眉ではないため
表情がやや大人びていて非常に可愛らしい。







2013年6月25日火曜日

人形探しの旅・アンナの1



叔母の家に遊びに行った時のこと。


叔母が、髪が広がってどうしようもないのでなんとかしてほしい、
と私に人形を手渡した。


それはリカちゃんより少し小さく、フェイスデザインもリカちゃんの系列とは違う。
なにより手の形や少しむっちりした腕が明らかにタカラドールのそれとは違っていた。


背中の刻印を見るとBANDAIとある。
それがアンナであることを知ったのはもう少し後になってからだった。


私はまだおぼつかないお湯パーマの腕を駆使し
ひさしのように立った前髪にラップを巻き、
後ろを三つ編みソバージュにし毛先を少し切った。


可愛くなったー!と叔母が喜んでくれたので結果オーライだが、
人の人形の髪型を相談なしに変えるなんて今思うと冷や汗ものだ。






90年代、今と比べるとまだ昔からの個人のおもちゃ屋さんが残っていた。
私は行ける範囲を回って古い人形がないか探したものだった。


電話帳を見ていたら某市におもちゃ屋さんがたくさんあった。
これは何か見つかるかもしれない。


ある日自転車で某市行きを決行した。
大通りをまっすぐ行くだけなので初めての道でも迷うことはないが
走ってみるとやたら距離があった。


その市に入ったあたりに露天のような怪しげなリサイクルショップ(?)があったが、
人形が欲しいと言って出てきたのは百均にあるようなペナペナのやつだった。


千円、と言われたが中古でペナペナで服なしの、
お世辞にも可愛いとはいえないあの人形を千円で買う人はいないと思う。
ってか百円でもいらない。







おもちゃ屋さんは駅周辺に集中していて全部で六軒。
駅周辺に集中といってもそれぞれ離れていて、
地図で見ただけでも全部歩いて回るのはかなり大変なのがわかる。
だから距離があることを承知で自転車で行ったのだ。


広めの通りに向かい合わせにあるおもちゃ屋さん、
あまり記憶に残っていないが、片方はベビー向けで
リカちゃんとママが一つずつあった程度だと思う。
もう片方は…多少はあったと思うが忘れた。


もう少し先にあるファンタジックな外観のお店はシャッターが下りていて看板もなく、
この時は目当てのおもちゃ屋さんの一つであるかどうかは確認できなかった。


一軒は廃業。
駐車場になっていた。




駅からまっすぐ行ったお店にはなんと「うたうおにんぎょうジュン」があった。


他のおもちゃの陰にひっそりとあるのを見付け、あまりの珍しさにちょっと迷ったのだが、
さすがにあまり好みでないクラシカルな顔立ちの(1975年発売だ)54cmの大型ドールに
食指は動かず見送った。別に後悔はしていない。


あ、うたうおにんぎょうジュンってオビツの百合沙に似てないか?


古めのジェニーの箱がいくつかと袋入りのアンナもあったが
大きな窓、というよりガラスの壁の際に置いてあり退色が非常に酷く、
欲しかったが諦めた。


そのうちの一つは通常の旧ジェニーだがとても可愛い顔で、
状態がよければなぁと今でも残念に思う。






そのお店を通り過ぎて右に曲がるとおもちゃチェーン店がある。
輸入物のスキッパーがあったが好みでなかったのでスルー。
たしか桂由美ちゃんもあった。
今となっては珍しいので買っておけばよかったかも。


そんなわけで遠出にもかかわらずこれといった戦果はなかった。


後日シャッターが下りていたお店に電話し営業していることを確認してから
電車で(遠さに懲りた)行ったところ棚に並んだ人形の中になんと
綺麗なアンナが二つあるではないか。


見比べて薄い髪色のを選びレジへ。
お店の人と近所の人らしき女性二人が、これはもうなかなかないわよ、
レア物よ~、とにこやかに対応してくれ更に値引きまでしてくれた。






濃い髪色も買っておけばよかったかも、とまた何度か行ってみたが、
そのお店が開くことは二度となかった。


数年後、まさか自分がその市に住むことになるとは当時は予想だにしなかった。